「住まいの維持管理」の目的

はじめに

日本は世界一の長寿国ですが、住宅の平均寿命は25年から30年とたいへん短命でした。

質を向上させ、長期にわたって快適に住み継がれる長期優良住宅が、21世紀の環境時代にふさわしいこれからの住宅です。

平成18年「住生活基本法」、平成21年「長期優良住宅普及促進法」が施行され、「良いものをつくって、きちんと手入れをして、長く使う」長寿命住宅の取り組みが、いよいよ本格的に始まっています。

適切な住宅の維持管理を行うことによって、いつまでも「長く、安全で、快適に、安心して住む」ことが出来ます。

また、住宅の資産価値を保つためにも、適切な時期に適切な維持管理を実施し、その履歴情報を保存することが重要です。

適切に維持管理を行う上で、「登録住宅いえかるて」ご活用いただければ幸いです。

一般社団法人 住宅長期支援センター
理事長 東樋口 護

 

「住まいの維持管理」の目的

「住まいの維持管理」を放っておくと、建物の劣化は急激に進みます。

 

人間の身体の健康を維持するには、バランスの取れた食事をきちんと摂り、適度に運動し、十分な睡眠をとる事と同じで、住まいの健康を保つには、事業者様と住宅所有者様との二人三脚による、日頃からの適切なお手入れ、維持管理、メンテナンスが欠かせません。

 

(一社)住宅長期支援センターは、住まいの維持管理を推進する目的で、事業者様向けに、「登録住宅いえかるて」WEBへの記録の保存・活用、「点検登録店」による「定期点検」のサポート、「住宅メンテナンス診断士」の人材育成「住宅メンテナンス診断士講習会」等の講習会、研修会等を実施しています。

 

また、「登録住宅いえかるて」にご登録頂いた住宅所有者様には、「住まいのお手入れ」冊子や「住まいの管理手帳」をお渡しすると共に(プラチナコースのみ)、月に一度のメールマガジンにて、「住まいの維持管理」の情報提供を行っています。

 

 

「住まいの維持管理」のメリット

 

①住まいが長持ちします。(20~30年後に建替えしなくて良い!その分、お得!)

 

②安心、快適に暮らせます。

(地震が来て崩れたらどうしよう?と不安な日々を送らなくて良い!)

 

③早期発見、早期対応で補修費が安くなります。

(不具合を放っておくと、どんどんと進行し、結局、補修費が高くなる!)

 

④定期点検の記録があれば、前回の結果と比較検討できます。

年に一度の人間ドッグを受診し、昨年の記録と比較してお医者さんが判断するように、住まいも前回の定期点検の記録、XX年前にリフォームした記録、XX年前に電化製品を交換した記録があれば、前回との比較と今後の検討が可能になる!)

 

リフォームの際に役立ちます。

(新築時や前回のリフォーム記録と比較検討したり、竣工図面があれば新たに図面をおこす事がなくなり、その費用が安くなる!)

 

⑥売買の際に役立ちます。

居住後、定期点検結果や修繕記録、リフォーム記録が、きちんと順番に保管されているれば、住宅の維持管理がしっかりされている証拠になり、「安心材料」として喜んで頂き、住まいを大切にされてきたと好評!)

 

⑦「改正宅建業法」や「安心R住宅」制度に対応できます。

(新築時や定期点検、インスペクションの記録があり、きちんと維持管理していれば、2018年4月からの「改正宅建業法」により、「重要事項説明書」の「維持管理されてきた情報」が明記出来る!また、国が推進する中古住宅流通の安心の仕組み「安心R住宅」に認定されやすくなる!)

 

⑧空き家になっても、早期に活用の道が開けます。

(いつでも住めるように維持管理されていれば、用途変更したり、売買の際、補修費用が高くつかず、早期に活用が可能!)

 

 

「登録住宅いえかるて」の開発経緯

一般社団法人住宅長期保証センターは、2016年4月より、NPO法人住宅長期保証支援センターが進めてきた「登録住宅いえかるて」を引き継いで運用しています。

 

NPO法人住宅長期保証支援センターは、時代の流れをいち早く捉え、平成14年NPO法人として設立。以来、住宅の長寿命化のテーマで住宅事業者と 住宅所有者の良好な関係維持のために諸活動を行なっています。

 

21世紀の住み継ぐ住宅に必須である「住宅履歴」は、2003年度より新築時の情報を①住宅所有者様、②施工事業者様、③センターの3者で保管する「登録住宅制度」に取り組んでまいりました。

 

そして、「メンテナンス診断士講習会」をはじめ、様々な調査・研究や活動を重ねながら「登録住宅制度」を推進し、2006年度に、住宅履歴整備の先駆的取り組みとして「社団法人都市住宅学会の業績賞」を受賞いたしました。

 

2008年度、「国土交通省第1回長期優良住宅先導的モデル事業「維持管理」部門」にて採択され、登録住宅制度のWEB版の開発に着手。

事業者様がWEBの住宅履歴作成システムを活用して、住宅履歴デー タの入力・保管を簡単に行なうことが出来るだけでなく、施主・買主等の住宅所有者様も情報の蓄積・更新・活用できるWEBシステムを提案し採択されました。

 

住宅履歴情報「いえかるて」は、住宅所有者様が主体となって蓄積・活用していくものですが、その作成に当たっては住宅事業者様の参加、協力が必須となります。

又、引き渡し後の長期間にわたる「住まいの維持管理」サポートと記録の保存、更新および住宅所有者様への維持管理に関する様々な啓発活動は第三者機関のサポートが重要となってきます。

 

一般社団法人住宅長期支援センターが第三者機関の役割を担うことは、住宅所有者様への長期間のサポートを実現し、安心と信頼をお届けすること につながります。